FXの勝ち組はなぜ1割なのか?勝てない原因は手法ですか、知識ですか、メンタルですか、それとも売買システムですか・・・では、それらすべてをクリアしたら勝てますか?・・・それでも勝てません!なぜでしょうか?原因はトレードスキルの問題だからです。◆あなたは勝ち組ですか?FXトレードを楽しんでいますか?多い少ないがあったとしても、コンスタントに勝っていれば、FXは楽しい投資です。ただ、残念ながら多くのトレーダーがコンスタントには勝てていないようです。FXで勝ち組は1割と言われていますが、大手FX会社の調査によりますと40%あまりの顧客が年間で利益を出しているそうです。まあ、1円でも利益は利益ですから。そこで、勝ち組と言える範囲を、仮に「年間投資額の20%以上の利益を出している」とした場合はどうでしょうか?40%だった勝ち組が約10%になってしまうということです。巷で言われている勝ち組1割は間違いではありません。ですが勝ち組で20%というのも寂しいですね。投資信託でも利回り20%はざらですから、100%は欲しいところですね。1年で資金が倍になるということです。月7%の利益を出し続ければ、(複利で)年間利益約100%になります。◆負ける原因は何?では、なぜ多くのトレーダーが負けてしまうのでしょうか?だれもが思うのは、そもそも自分の実施する手法が勝てないのではないかということですね。それで次から次へと様々な手法に手を出してやってみても、一時的には勝てても長続きしないのです。FXの手法に聖杯なんてありません。よく言われるのが、負けの原因は知識不足ということです。チャート分析やテクニカル指標のしくみなど、基礎的な知識がないので勝てるトレードができないのではないかということです。基礎的な知識と言っても、トレードにかかわること、チャートにかかわること、資金管理にかかわることなど、相当な量の知識になりますので、確かに知識不足ということはあるのかも知れません。具体的な原因としては、コツコツドカン、ポジポジ病、ルール通りに待てない、リベンジトレードなどメンタル面の問題は多いようです。プロスペクト理論に基づく「損失回避」の心理が作用します。利益を確定させる意思決定が早くなる傾向から、必然的に「小さな利益」だけを積み上げることになり、一方、損失を確定させる意思決定が遅くなり、負ける時の損失が大きくなる損小利大ではなく損大利小の傾向になります。最終的にはトレーダーの心理が負けの方向に行動してしまいます。負けの原因は手法か、知識不足か、メンタルの問題かということになるのでしょうか?◆負けないための対策は? 仮に負けの原因を手法、知識不足、メンタルの問題とします。では、それらをクリアして、十分な知識を得て、メンタルの問題を解消し、勝てる手法を使うとしたら、勝てるようになるのでしょうか?答えはノーです。勝てません。知識をいくら増やしても勝てません。それは知識を実践に活かすスキルがないからです。 負けにくいトレードは、チャート分析に基づいたトレードプランを立てて、そのプラン通りに実行する。損切りはもちろん利益確定の位置や逆行時の対処の仕方も決めて、トレードします。トレードのシナリオを立てたうえで、エントリーします。トレードの勝率は100%ではないので、当然ながら損切り(負けること)もあるということも承知の上ですから、負けても焦ることもありません。シナリオトレードを実行するには、まず、チャート分析のスキル(知識ではありません)が必要です。そのうえで、シナリオトレードを実行するスキルが必要です。これらのスキルを習得することが、勝ち組への道です。知識とスキルの違いを理解し、スキルを習得するための練習をします。スキルを習得するには相当な量の練習が必要です。飽きたり、嫌気がさしたりすることもあります。もっと楽しいことに時間を費やしたいと思うこともあります。でも、そこを乗り越えないと自分のものにはなりません。プロ野球選手でもプロゴルファーでも、プロになるまではもちろんプロになってからも基本練習は欠かしません。基本のスキルがいかに重要であるかということを良く知っているからです。時間がかかると遠回りしているのではないかと思うこともあります。でも急がば回れ Walk,Don’t Run の精神が肝要です。◆ 本書の内容は目次の通りですが、各章について紹介します。「1. シナリオトレード」では、チャート分析やダウ理論につて一般的な説明をしています。「2.波形認識」では、ダウ理論の根本的な原則である波の描き方、高値と安値の定義、目線の固定と切り替えについて、実際のチャート上で説明しています。トレンドや目線の切り替えなどについての説明も同様です。そして、スキルを習得するための練習につて解説しています。「3.レジスタンス・サポート」では、水平線の引き方、フィボナッチリトレースメントやレジサポとしての水平線の使い方、さらにレジサポでのローソク足の挙動についても説明し、水平線を引くスキルを習得するやり方を解説しています。「4.シナリオを立てる」では、実際のトレードをどのようにやるのか、環境認識、エントリー、利益確定、損切り/逃げまでの技術的要素を知り、トレードプランであるシナリオを立てるスキルを習得する方法を解説しています。◆目次1. シナリオトレード1-1.シナリオトレードとは1-2.チャート分析1-3.ダウ理論2.波形認識2-1.波を描く2-2.高値・安値の定義2-3.目線の固定と切り替え2-4.波と目線のスキルを習得する3.レジスタンス・サポート3-1.水平線3-2.水平線の役割3-3.フィボナッチリトレースメント3ー4.レジサポでの反転3-5.水平線を引くスキルを習得する4.シナリオを立てる4-1.ダウ理論ベースのトレード4-2.環境認識(MTF)4-3.エントリー、利益確定、損切り/逃げ4ー4.シナリオを立てるスキルを習得する5.資金管理6.スキルアップ