昭和50年代から平成にかけて一世を風靡し、世の中には好奇の目で見られながらも、多くの経営者に根強い人気のあったK養成学校(仮名)「地獄の訓練」。著者はかつてそこに勤務し、情熱を持って訓練を担当していたが、ある事件がきっかけで退職せざるを得なかった過去を持っている。複雑な気持ちを引きずりながらも研修講師の仕事を続け、今は当時のスタイルとは全く違う研修を行っているが、距離を置いたからこそ見えてくるものもある。 本書は、今はK養成学校とは何の利害関係もない著者が、偏見も贔屓目も排除して冷静に昭和時代の「地獄の訓練」の姿について語るものである。(内容)序.偏見と戦い続けた30余年第1章 「地獄の訓練」とはどんな訓練か1.講義の時間は1時間もない2.テストに合格しないと帰れない3.遅い者に合わせない 4.何でも時間内にやる5.班長は責任が大きい6.悪いのはどこか、は自分で考える第2章 訓練生の気持ちが変化する1.はじめは嫌で仕方がない2.俺はこんなこともできないのか3.あの人はなぜあんなに頑張れるのか4.合格してこんなに喜んでくれる人がいる5.会社では俺はどうだったのだろう6.地獄仕込みのこの腕をシャバで試してみようかい第3章 好きでないと講師はつとまらない1.入社第1日目は「地獄の訓練」の訓練生2.マニュアルはあるが「知っている」だけではつとまらない3.班担当はもっとしんどい4.すべてにおいて模範を示せ5.本気で喜べ・本気で叱れ6.厳しさとは罵倒することではない、厳しさとは時間管理であるおわりに.「訓練」の必要性