まず、本書の目的は「農業生産の効率をあげること」。これに間違いはないのですが、農作物を生産して販売するにあたって、農家の視点はプロダクトアウトであり、マーケットインの考えがありません。消費者の手前にいるバイヤーに買っていただくために、流通の現場ではどのような意思決定がなされているかというと、EDLP企業などでは顕著な動きとして、店頭の企画を一年を五二週に分けてそれぞれでイベントを企画したり、季節感を打ち出してるのです。特に野菜や果物はお店に入ってすぐのアイランドと呼ばれる場所に置かれるので非常に重要な場所となっているのです。ここに商品を送り込むにあたって重要なことは、店頭の五二週にどれだけ自社の生産した農産物を送り込めるか(シェア獲得)に他なりません。何をどの週にどれだけ送り込めるか事前にバイヤーと申し合わせできたら、こんなにありがたい生産者はいないのです。本書を読んで、選ばれる生産者になるために必要なアグリハックを学んでください。第1章 なぜ、あなたの農業はうまくいかないのか 第1話 なぜ農業に生産工程管理が必要なのか 第2話 科学的な進捗管理が農業経営の成功する第一歩 第3話 52週マーチャンダイジング農業生産工程管理システムとは 第4話 農業生産プロジェクト・マネジメント法と開発標準ガイド 第5話 プロジェクト進捗管理を詳細に見る 第6話 WBSとプロジェクト進捗管理の関係 第7話 栽培プロジェクト計画書とベースライン 第8話 売れる現場で使われる農産物の単品管理を逆算思考する 第9話 アグリハック2つの進捗管理第10話 意外に見落としているタイム・マネジメント第2章 あるべき姿のプロジェクト進捗管理とは 第1話 栽培プロジェクト進捗管理もグローバル・スタンダードに 第2話 農産物開発工程にコードが定義されていない場合に起こる問題点 第3話 栽培プロジェクト進捗管理を整理する 第4話 栽培プロジェクト計画書の事例紹介 第5話 52週農業生産工程管理システムの事例 第6話 実際の栽培プロジェクト計画書 第7話 栽培プロジェクトのマスタースケジュール 第8話 コスト・ベースラインの算出方法 第9話 グローバル企業が使っている裏付けのコスト見積もり法第10話 生産工数から開発期間を計算第11話 認識すべきはAHSの重要性第12話 マスタースケジュール作成の基礎知識と目的第13話 マスタースケジュールはスローガンか第14話 実現可能な栽培スケジュールを提示する第15話 圃場開発規模の増大で開発生産性が低下第16話 圃場開発フェーズにおける期間比率の変化第17話 最適な開発生産期間を選択第18話 複数の開発チームでプロジェクトを構成第19話 サブシステム分割と開発生産性第20話 開発工程(AHSコード)の決定第21話 国際的に認知された開発手法第22話 AHSには幅広い知識が必要第23話 ガントチャート作図法の種類第24話 PERT図によるマスタースケジュール作成方法あとがき アグリ・マーチャンダイジングにおける5つの使命