昭和の匂いがする異色の新首相のこれからを大胆に読み解く。(目次)①政権は短命か?それとも意外に?●新政権のこれからを予測する 数多ある政治にまつわる報道や書籍、あるいは分析レポートの類に目を通して、いつも飽き足らなさを覚えるのは、ある重要な部分が抜け落ちているからだろう。●短命政権の境界線を2年未満と設定してみる 政治評論などで長期政権・短命政権は、よく用いられる表現だが、何年何か月から長期、何年未満は短命と言う風な、はっきりした定義はない。②経済・景気はどうなるのか●経済(景気の動向)が首相の任期を決める 経済・景気の流れと、その時々の政権を照合して見ると、景気の拡大期すなわち好況時に首相であった者が、より長く、その地位を保つ傾向はある。 ●とっくに終わってしまったアベノミクス景気 いつもながら、げに凄まじき「後出しジャンケン」と言わざるを得ないのは、国の機関が認定する景気判断であろう。③株式市場の気になるサイン●年末に確定する株式市場の不吉な形状 囲碁の世界で不吉とされるものに三劫(さんこう)がある。盤上にコウ(打ち手が相互に石を取り合う状況)が、3か所も発生するものだ。●もっとも苦手な課題を背負った日本経済 前政権の行ったアベノミクスの成果として、誰しも認めるのは、株式市場を浮揚させたことだろう。2012年暮れの就任から、今夏の退陣までの日経平均株価の推移を見てみよう。④過去の類似例からわかること●緊急避難型政権の顛末 最初から結果が見えている勝負は、何とも退屈なものだ。野球、サッカー、相撲等々、スポーツの中継が人気を集めるのは、下馬評がどうであれ、何が起こるかわからないところにある。 ⑤傍流(非閨閥・非官僚系)総理の限界●自民党の政権史が教えること 特に政治通ではなくとも、自民党が世襲議員やキャリア官僚からの転身組を中心にして運営されていることは御存知だろう。 ⑥叩き上げの経歴が泣きどころになる●誰でもわかるプロフィールの不透明な部分 菅首相の経歴についてのメディアの報道は、ここまでかなり混乱している。●なぜそこまで伏せる必要があるのだろうか 総裁選の最中のことではあるが、朝日新聞に興味深い記事があった。⑦政権の幕引きはこうなる●ご当人も長く居座るつもりはないのでは 新たに就任したばかりの首相の退陣に触れるのは、礼を失した話だろう。筆者も還暦男であるから、そのくらいのことは心得ている。●淡々と去ることが日本にとっては幸いする 所縁の首相誕生を歓迎する、出身地である秋田県、選挙区のある神奈川県、そして出身校で私立有数の名門校、法政大学に関係する方々を怒らせてしまうかもしれないが、そう思っている。